バセドウ病について

バセドウ病は、自己免疫疾患のひとつで、甲状腺機能亢進の代表的疾患です。
連続するストレスや、体にとって無理な負担が続くことにより、ホルモン、免疫、自律神経のネットワークが、調整機能を失います。
免疫に狂いが生じると、甲状腺の表面にあるTSHレセプターを異物と認識してしまい、これに対する抗体を作ります。
この抗体がTSHレセプターにくっつくと、甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。

甲状腺ホルモンが過剰になると、次のような症状が現れます。

 

  1. 全身症状・・・やたらと暑い、だるい、疲れやすい、食べているのに体重が低下、37~37.5度の微熱、血圧、血糖値の上昇、コレステロールの低下、肝機能障害
  2. 顔・・・目つきが鋭くなる、眼球突出、複視、甲状腺の腫れ
  3. 神経・・・イライラしやすく落ち着かない、集中力の低下、熟睡できない
  4. 循環器・・・動悸、息切れ、頻脈、心不全、むくみ
  5. 消化器・・・食欲亢進、または低下、軟便、口の粘り
  6. 皮膚・・・発汗、かゆみ、脱毛、皮膚の黒ずみ
  7. 筋力・・・低下、脱力感、震え、骨粗鬆症

バセドウ病の養生の仕方

バセドウ病は、20~40代の女性に特に多い疾患です。
この年代の女性は、妊娠、出産、閉経という、体にとっての大きなライフイベントを迎え、ホルモンの大きな変化を伴います。
このような時期に、仕事、家庭、介護などの大きなストレスが重なることで、正常な免疫に破綻を来すことが原因なので、まずは自己のライフスタイルを振り返ることから始めて下さい。

セルフチェック

  1. 良質な睡眠と十分な睡眠時間が確保されていたか?
  2. 心も体も悲鳴をあげているのに、無理を強いて頑張り続けていなかったか?
  3. 顔で笑って心で泣いて・・・などの矛盾したライフスタイルを送っていなかったか?
  4. いつも何かに追われるような交感神経優位な生活ではなかったか?
  5. 甘い物、肉類、揚げ物、油を使った料理など、炎症を助長する食品を摂りすぎていなかったか?
  6. リラックスできる、自分へのご褒美タイムを作っていたか?

 

これらを振り返り、生活パターンを改めることが養生のベースになります。
漢方でも、これらをふまえて、免疫とホルモンのバランスを整えるものを用いてゆきます。
西洋医学的な治療は、TSHレセプター抗体の値をコントロールして、正常に近づけてゆくことですが、漢方+養生を併せることで、より早く回復できると思います。

バセドウ病の眼球突出の悩みについて

甲状腺ホルモンの値は正常にもどり、西洋薬を服用しつつも上手くコントロールされているが、気になる眼球の突出が元に戻らない・・・・というご相談がとても多いです。
病院では、それはあきらめて!と言われてしまった方も多く、特にお顔の事なので、女性としてはとても気になる悩みです。

 

中医学で、この眼球突出の原因を考えると、それは湿痰という性質の物で、おけつ同様、改善にかなりの時間を要するものです。

つまり、甲状腺ホルモンにより、過剰に眼球が刺激され、熱をもって炎症を起こしたために、その炎症を冷そうとして、組織液が集り、ゼリー状の湿痰を形成してゆきます。
これが後ろから眼球を押し上げてくるようなイメージです。
炎症が続いた期間が長いほど、湿痰形成もなされ、炎症がひいたあとも、適切な養生をされないと、このゼリー状の湿痰はなかなか散ってゆきません。

 

まずは、甘いお菓子、ケーキなどの洋菓子、スナック菓子、天ぷら、カツなどの揚げ物、クッキー、菓子パン、肉類の脂肪や食肉加工食品等の、湿痰を形成しやすい食べ物をなるべく遠ざけ、お米を主食にした和食に切り替えることから始めてください。

特に、里芋、たけのこ、アスパラガス、キノコ類、大根おろしなどは、湿痰を取り除き易い食べ物です。
そして、漢方でも里芋科の薬味でできたものを使用してゆきます。

 

眼球の症状は、まぶたの腫れ、つり目、眼球突出、目の痛み、二重に見える、やたらと眩しい、視力の低下、色の見え方がおかしい・・・など様々な症状がありますので、お悩みの症状に合わせて処方をいたします。

この場合も、原因がホルモン、免疫の乱れなので、それらを改善する漢方+養生も併用されることをお勧めいたします。

漢方養生の効果が実感できるのは、個人差もありますが3~6ヶ月を要するかと思います。

しかし、焦らずコツコツと体の中身を変えてゆく性質の養生は、とても体に優しく、生きる力を養うものです。

 

どうか諦めずに、養生を始めてみてください。