季節ごとに体と心によりそう養生

「季節の養生」についてのブログ記事も是非ご覧ください。

春の養生

春は、万物が眠りから醒めて成長してゆく季節です。
木々が上へ上へ伸びるように、私達も気持ちをのびやかにして活動を開始する季節になりました。

 

気を上に昇らせるのは、肝の働きで、それによって気力が充実して活動できるのですが、それが過ぎれば上半身に熱が集まり、のぼせ、火照り、耳鳴り、頭痛、めまい、イライラ、怒りっぽいなどの症状が出やすくなります。

また、花粉や黄砂も増えてくるので、ひどいアレルギーや皮膚病、めまい等で悩まされる方も多いでしょう。

 

この季節には、体を縛るきつい服装を止めて、髪などもなるべく縛らずに緩めてください。
気持ちの上でも自分の心を縛らずに解放して、外に向かって活動してゆくのがヨシとされます。歌を歌ったり、音楽を楽しんだり、お花見に出掛けたり…と心が楽しく嬉しくなることを積極的に行ってください。

 

  • 養生レシピ:プルーンの赤ワイン煮、切り干し大根茶、香味野菜のスープ
  • 漢方養生:発酵紅参、松康泉、タンポポ茶、紅豆杉、紫霊芝、棗参宝、スーパー紅景天

梅雨と土用

梅雨の養生

梅雨と言えば湿気ですが、外気の湿気が高いと体の中の水分が排出されにくく、いらない水分が体の中に溢れてしまいます。
その結果、体が重い、だるい、手足に力が入らない、尿の出が悪くむくむ、軟便や下痢などの症状が起こりやすくなります。

 

湿気が多く気温が高い日は、湿熱の邪が脾胃を侵すため、食中毒や胃腸炎も起こしやすくなります。
冷たいものの一気飲み、水分の摂りすぎ、脂こいものの摂りすぎは、脾胃に負担をかけますので注意が必要です。

 

また、湿気が高く気温が低い日、北西の風が吹く逆風の日は、風寒湿の邪が開いた毛穴から侵入しやすいので、なるべく風に当たってはいけません。(クーラーの風にも直接当たらないでください)
風寒湿の邪が侵入すると、顔のむくみ、喘息、手足の関節の痛み、リウマチ、腰痛が一気に悪化します。

 

普段から胃腸が弱く、色白で体が浮腫みやすい人、動作や行動がおっとりとスローテンポの方は、この時期最も養生せねばなりません。

食べ過ぎ、飲み過ぎをやめ、腹7分で留めてください。冷や奴、そうめん、冷や麦などは最も湿を溜める食材ですので、たくさん摂らないように注意しましょう。ネギ、ミョウガ、ごま、紫シソなどの薬味をたっぷりと入れて召し上がることをおすすめします。甘い洋菓子、餅米、牛肉等も湿を溜めやすいので多食は禁物です。

 

  • 養生レシピ:雑穀ごはんや玄米ごはん、とうもろこし、ハトムギ、小豆、緑豆、紫蘇、茗荷
  • 漢方養生:しほよもぎ、平胃散、参苓白朮散、タンポポ茶+紫霊芝+エネスポを併用

土用の養生

季節の変わり目である土用には脾胃の働きを立て直す必要があります。
胃腸を丈夫にすることは長生きの秘訣で、たとえ体調を崩していても、脾胃の働きをよくしてあげれば体全体が元気になります。

 

胃腸のトラブルは、口の周りに現れる事が多く、口内炎や口の周りに吹き出ものが多い、肌荒れをおこしやすい、皮膚が黄ばんできた、やたらと甘い物が欲しくなるなどは胃腸が弱っている証拠なので注意が必要です。

冷たい物や体を冷やす食べ物(生野菜、おさしみ、果物、麺類)は控えて、温かいご飯を召し上がってください。

 

  • 養生レシピ:野菜煮込みスープ
  • 漢方養生:熊柳三兄弟(大熊柳、火神丹、升降丹)、紫霊芝、スーパー紅星天

夏の養生

夏は五臓のうち、心の働きが最も活発になります。
暑さにより汗をかきますが、汗は心の液ともいわれ、毎日、大量の汗をかくと、心気を消耗し、動悸、息切れ、胸苦しさ、不眠、不安、落ち着かない…などの症状が現れ易くなります。

 

これを防止するためには、怒らず、イライラせず、頑張りすぎず、心を穏やかにして心気を養うことが大切です。
夏は日の出とともに起床して、涼しい時間に、体を動かしたり、大切なことをすませるのがよく、最も暑い日中は、20~30分程度のお昼寝をして、体を休めるのがよいとされます。

 

冷房や風に、直接長時間当たる、冷たいものや生ものを摂りすぎるのは陰陽のバランス(自律神経のバランス)が崩れるので、気をつけましょう。

 

特に、喘息やCOPD、肺気腫、風邪を引きやすい、リウマチ、冷え性、胃腸虚弱等、冷えと痰湿の停滞が絡んだ冬の持病をお持ちの方は、夏の養生が決め手になります。(冬病夏治)

 

  • 養生レシピ:はちみつレモン、梅干し、甘酢料理、青汁豆乳、鶏肉・カボチャ・小松菜の花粥
  • 漢方養生:亀齢寿、グリーンピューレ、生脈宝

秋の養生

最近の夏は異常高温が続き、湿気が多い期間が長いため、脾胃を傷めやすいです。
冷たい物の摂りすぎ、熱中症の予防にと水分を摂りすぎて、胃液が薄まり、食欲が低下して、十分な栄養が体に供給されていなかった方々は、免疫力の低下が心配です。

 

また、夏場に汗をかきすぎて、夏やせした方、貧血気味、朝がしんどい、めまい、立ちくらみ、便秘、喉がいがらっこい、空咳など、体液消耗からきた症状に悩まされる方も多いと思います。

 

秋は空気も乾燥し、脾胃の機能が回復してきますので、夏場に不足した肉、魚などの動物性タンパク質や、野菜、きのこ、海草類などを、しっかり補給して血肉骨の源を作りましょう。
また、豆腐、豆乳、白胡麻、ぎんなん、百合根、松の実、ほたて、貝類、淡黄色野菜など、体を潤す働きのある食材を補給するのもいいでしょう。

 

  • 養生レシピ:れんこんの絞り汁、れんこんと長芋の花粥、なめこ、ネバネバ系の食品(納豆、おくら、長芋、モロヘイヤなど)
  • 漢方養生:スーパー紅星天、紫霊芝、核酸DNAリペアル、通竅

冬の養生

冬は閉蔵の季節、つまり陽気を鎮めエネルギーを蓄える時期です。
冬にエネルギーを発散しすぎると、陽気を失い老化を早めたり、生命力を損ないます。 

 

若くて十分に体力がある方でも、エネルギーの発散は夏の9割程度にしましょう。また、56才以上の男性、49才以上の女性の方は、夏の7割程度がいいでしょう。
そして、本年度に手術や抗ガン治療などを受けられた方は、夏の5割程度に仕事量(活動量)を減らして、心身ともに温存することが大切です。

 

早朝の暗いうちや、日の入り後の散歩は、冷えて腎を傷めますので、日中の温かいうちに、気持ちよく散歩してください。
風雪、雨風が強い日は、邪気が入りやすく、健康の為に歩くのが逆効果になるので、自宅でストレッチや体操、気功を行うことをお勧めします。

 

またこの時期は、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、大動脈解離等の血管系の病気を発症しやすいです。
温かい部屋から急に寒い所に出る、入浴後の脱衣場が冷えている、トイレが寒い等の状況で事故が起きていますので、なるべく過激な温度変化がないように工夫してください。

 

  • 養生レシピ:鶏ガラと白ネギ・生姜のスープ、香味野菜のカレースープ、ニラと干しえびの花粥
  • 漢方養生:タンポポ茶、バベンソウ

 

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