がんと診断されて落ち込んでいる方に

 

昨日まで何の症状もなく、元気で普通どおりに暮らしていたのに、たまたま検診でがんがみつかり、目の前が真っ暗になってしまった。
どうしてよいのかわからず、頭が真っ白になり、夜は眠れず、会社を2週間も休んでしまった。と、いうような方が、私の保健室によくいらっしゃいます。中には、淡々として、自分のお葬式の写真をまず用意した!というような方もみえます。

 

これほどまでに、“がん”という言葉が人を落ち込ませるのは、今まで、がんイコール死という観念が常識として通っていたからにほかなりません。けれども最近では、このような常識は、どんどん崩れつつあります。

末期がんから生還した人や、がんを乗り越えて数十年、現在でも元気で活躍している人が増え、これほどの数になると、これはもう奇跡の人でも何でもありません。

つまり、がんを生活習慣病のさいたるものとして捉えたとき、他の糖尿病や高血圧、高脂血症などと同じように、今までのまちがった食習慣、生活習慣を改善することで、少しずつですが、がんから脱却する、またはがんと共存しながら元気で暮らすことができるのです。

がんは、確かに手ごわく侮ることはできません。しかし、絶望したり悲観したりすることは、決してないと私は思います。

 

発がんを許してしまうには、いくつかのプロセスがあり、また、そうなってしまった原因というのが必ずあります。たとえば、心に大きな悩みを抱えていたこと、毎日の食事内容、血液の流れを悪化させるような生活習慣などです。これらの原因は、各個人個人によって違ってくるため、その対処法も一律ではなく、オーダーメイドの養生となります。
したがって、ただ単に、ある特定のサプリメントをとりさえば良くなる…というような単純なものではありません。

 

この保健室では、まずあなたが発がんした原因をあなたと一緒にさぐり、今の状態に適した養生法とアドバイスをさせていただいています。

どうか落ち込んだりなさらずに、希望を持って一緒にやってゆきましょう。

 

目次

がんについて知ろう!!

心の悩みやストレスが、発がんの引き金になります!

ストレスががんを作ることは、昔から言われていますが、そのメカニズムは今迄よくわかりませんでした。ところが今では、新潟大学の安保徹先生らの研究により、その全貌が明らかにされました。
ストレスといってもいろいろなものがあります。仕事のしすぎ、無理のしすぎ、寝不足、暴飲暴食などがありますが、一番長期的にダメージを受けるのが、持続的な心の悩みです。
職場での人間関係やノルマ、家族の病気と介護、家庭での対立などが持続的な心の緊張を引き起こします。
心が緊張すると、主に以下の4つのことが起こります。

 

白血球中の
顆粒球が増加

血流が
細くなる

白血球中の
リンパ球が減少

解毒排泄能が
低下する

がんの発症要因

2~3割が外部要因 体内で活性酸素を発生させ、遺伝子変異の誘因となるもの
化学物質、大気汚染、排ガス、紫外線、タール、食品添加物、化学薬品
、特に痛み止めなどの長期間服用。酸化を進め、免疫力を落とす日頃の
食生活習慣(インスタント食品、加工食品、スナック、ファーストフー
ド、乳製品、卵、肉などの高脂肪蛋白の過剰摂取)。二日酔いになるほ
どのアルコール摂取。
7~8割が内部要因 ストレスによる交感神経の持続的緊張
働きすぎ、寝不足、夜更かし、暴飲暴食、運動不足、環境ストレスによ
る自律神経の乱れ、社会不安、心の悩み、クヨクヨ、イライラ、慢性的
精神的苦痛の持続による交感神経の過緊張。

 

男性では、職場での人間関係、ノルマに対する葛藤、仕事や定年問題に執着、ギャンブルによる借金など。
女性では、家庭内での悩み、(嫁、姑の人間関係、子育て、子供の巣立ち、介護)仕事との両立など。

 

がんの発症メカニズム

ストレス
(外因性及び内因性ストレス)
慢性的かつ持続的な身体、環境、精神的ストレス
自律神経の乱れ 交感神経が過剰緊張、副交感神経の働きが低下
白血球のバランスの乱れ 顆粒球増多、リンパ球減少
活性酸素の過剰産生 増加しすぎた顆粒球が役割を終える(寿命2~3日)とき、血流にのって粘膜にたどりつき、活性酸素を撒き散らす(自爆テロ)。これにより、上皮組織が傷つき、体はこれを修復しようとしてサイトカインが発せられ、上皮細胞の再生が促進される。
通常、60兆の細胞は毎日入れ替わり、すべて分裂回数がセットされているが、修復するためのサイトカインが出続けると、増殖因子のスイッチオン状態が続き、細胞が無尽蔵に増殖してゆく(がん遺伝子に変異)無限に増殖し、周りの臓器をおかまいなく侵食してゆく。
血流障害 交感神経の緊張により、血流が滞り、細胞に酸素と栄養を送れず、毒素を捨て去ることもできない。

悪環境のなかで傷ついた細胞は正しく分裂する機能を失い異常な増殖を繰返すがん細胞となる。

血流不全によりリンパ球のパトロールが手薄となり、がん化の芽をつぶすことができない。

抗腫瘍免疫の低下 T細胞~B細胞への連携、NK細胞、NKT細胞(胸腺外分化T細胞)は副交感神経が優位に働いた状態ではじめて活性化される

NK細胞ががんを直接抹消するパーフォリンタンパクを分泌できるのは、アセチルコリンの指令によるもの。

また、副交感神経が低下すると、内臓の排泄能力が著しく低下し、免疫細胞の活性が低下(腸が善玉フローラで満たされていないと、腸内免疫が働きにくい。

血管新生によるがんの増殖、転移 増殖を続けた細胞が変異をとげ本格的ながん細胞となると、血管新生をおこすシグナルを発生し、TNFアルファなどの炎症性サイトカインを分泌させる。

それに誘導されて基底膜のコラーゲン繊維を溶かす蛋白質分解酵素(マトリクスメタロプロテナーゼ)MMPが分泌され、基底膜が破壊され、血管内皮細胞の増殖と遊走がはじまり、がんの栄養源となる新たな血管が作られてゆく。

がんが大きくなればなるほど、血管新生は進み、どんどん宿主の栄養をすいとってさらにおおきく成長してゆく。

 

アレッと思ったらまず生活を振り返ろう!

 

がんは突然できるものでもないし、あっという間に進むものでもない。慌てる前に、まず自分の生活を振り返ってみましょう。顔色が悪い・疲れ易い・食欲がない・眠れない・本調子でない、などがあれば、

 

  1. 働きすぎていないか?
  2. 悩み事におしつぶされそうになっていないか?
  3. 暴飲暴食、不摂生をしていないか?
  4. 体に良いことを何もやっていないのではないか?
  5. 特定の薬をのみ続けていないか?

 

をまず考えましょう。また、心配ならば心の準備ができる範囲で、白血球のバランスを調べるなどの血液検査をしてみましょう。そして、もしがんができているかもしれないと思ったなら、早急に今の生活態度を改めましょう。 次の5項目は、がんを自然退縮させるためのキーワードです。 是非守って健康な体に戻していただきたいと思います。

バリバリ働いた後は必ずくつろぐ

がんに気づいたら、人生観を変えて、働きすぎをやめて睡眠時間を十分にとる。

心の悩みをかかえない

  • がんを良くするのも悪くするのも自分の心のコントロール次第! あくまでもプラス思考でゆくか、どうにでもなれ!と達観してその日その日を充実して生きるかのどちらかが、免疫力をはねあげる。過ぎたことをくよくよと後悔したり、先のことをあれこれと心配せず、今ある命をいかに大切に生きるか!のみを考える。自分の心がリラックスしていれば自分の免疫が働いてくれる!自分に自信をもつこと 悪くなることを考えないで、良くなることだけを考えて良くなることを実行する 困難を逃げ腰でなく切り開いてゆける自分をイメージする。

 

  • 他人と自分とを比較しない。完璧を求めない悪い所を嘆くよりも、良い所を有難く思う 些細なことにとらわれないよう、また、余分なことを考えないように一日の大まかな日課をたてて、常に何かに向かっていられるように工夫する。 掃除などの単純作業の他、写経や写仏などもよし、自分の趣味に向かうのもよし 素直にこうして今生かせてもらえることを感謝し、ありがとう、ありがとうのき持ちで毎日をすごす

 

  • 病気を治すことができるのはあくまでも自分の体と心! 医者も薬局も家族もその手助けしかできない。人間、必ず一度は死を迎えるもの!がんに気づいて生き方を考えられる自分はとてもラッキーである。 いかに長く生きるかよりも、いかに充実して長く生きるかが大切なのである

 

腸の働きを高める。

常用したい食べ物

玄米などの未精白米、雑穀、味噌汁、納豆、豆腐、ごま、緑黄色野菜、根野菜、海藻類、キノコ類、小魚、自然塩の梅干など和食中心のメニューにする。

 

玄米 蛋白質、アミノ酸、ミネラル、 食物繊維をふくむバランス栄養食
大豆食品、小魚 骨髄免疫をあげ、血や筋肉、骨を作ってゆく
ごま、 緑黄色野菜 抗酸化ミネラルを多く含みがん化のブレーキをなす
海藻、梅干 現代人の食生活に明らかに不足しているのが微量ミネラル、抗酸化の核となる
キノコ類 腸内での免疫細胞の働きを活性化する
根野菜 体を温め、気力を高める

 

体に必要以上のものを入れない(食べすぎに注意、好物、甘いもの、油脂、嗜好品は控えめに)
食べすぎを感じたら、次の食事を少し控えるなど、内蔵消化管を休ませる時間をつくってあげる

 

血行をよくする

副交感神経を優位にするための諸方法で自分にできるものをいくつか取り入れよう。

 

●自分にあった運動で体を動かす
ウォーキング、散歩、太極拳、ヨガ、気功、ラジオ体操、ストレッチ、ダンス、軽いダンベル運動、自力整体など 

●副交感神経反射を刺激する
自律神経免疫療法(爪もみ法)、お灸、ビワの葉温灸、へそ温灸、乾布摩擦など 

● 深呼吸、丹田呼吸法、自律訓練法、などの他、入浴により十分にリラクゼーションをはかる 
一日一度はくすぐってでも大笑いする。また。寝る前のひと時、病気にまけないイメージ、自分の幸せをイメージする(イメージ療法) 

●アロマオイルによるマッサージ
自分で体を動かせない場合や、積極的にできるものがない場合に大変役立つ。自律神経を調整するサイプレス、ジュニパー、プチグレン、 副交感神経を刺激する、ゼラニウム、ロックローズ、マジョラム、免疫力をあげるティートリー、ユーカリラジアタ、 ラベンサラなどのオイルを組み合わせて、香りでリラックスしながら、手足などを念入りにマッサージする。(パートナーにマッサージしてもらうのもよい)

薬漬けをさける

痛み止め、ステロイド剤、制酸剤(胃薬)、鼻炎やかぜの薬、精神安定剤などの長期連用をなるべくやめる 抗ガン剤、放射線療法、手術療法に関しては、安易に承諾せず、セカンドオピニオンを求め熟考する。

 

 

がんになったときの3大養生法

この養生法は、がんから脱却するための養生法であり、がんを予防する、あるいは再発を防ぐための養生法でもあります。殆どの生活習慣病の養生法にも応用できますので、元気な方もご家族全員で実行されると良いと思います。がんの養生は、早く始めれば始めるほど、効果が出やすくなります。
できれば1センチ以下の状態で養生するのが一番ですが、大きくなったがんでも、根気に養生すれば結果が変わってきます。

心の養生・・・心に悩みを抱えない

こんな病気をしていて、悩むなという方が無理なことです。けれども、少し時間を経ておちついたら、自分の悩み、ストレスをよく整理してみてください。信頼のおける人に自分の気持ちをはきだしてしまうのもひとつの方法です。

病気に打ち勝つ力は、悩みを取り払い、前向きな気持ちを取り戻すことから生まれます。
順番から行くと、心が一番に大切です。心が明るく前向きであれば、プラスのホルモンに支配され、自ずと治癒力が生まれます。

性格は変わらないと嘆く方が多いですが、決してそうではなく、入れ替えるスイッチが入っていないだけです。どなたでも前向きになれますので、安心してください。

 

食の養生・・・腸の働きを高める食事

何よりも食事を楽しめることが生きるためのエネルギーになりますが、基本的に日本古来の和食を腹8分で楽しむ事が大切です。食べ過ぎれば、消化と吸収に酵素が使われ、解毒排泄力が低下し、腸内の免疫が低下します。

又特に、白砂糖食品、動物性食品は、血液の流れを悪くし、免疫を低下させます。
そして、便秘をすることがないように心がけてください。

 

生活の養生・・・リラックスして体が温かい

たいていの人は、病気になる前に大きなストレスを抱えていたり、無理をしすぎています。
病気になった時点で、今までの生活パターンを振り返ってください。
まず働きすぎをやめて、十分な睡眠時間を確保しましょう。
そして、自分に最もあうリラクゼーション法と、血流促進法を実行しましょう。

 

今日から始められる養生法