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がんの養生の仕方について

一言に“がんの養生“といっても、その時々の体の状態によって変わってきます。

まず、“がんによる自然寿命の経過図“をご覧になってください。

この図は治療も養生もせずに過ごした場合の経過です。

健康とは免疫力が高く(青線)、慢性炎症が少ない(赤線)状態ですが、加齢や過労とともに、免疫力が低下し、慢性炎症が増加して発病します。

その後緩やかに慢性炎症は増え続け、免疫力は低下して行きますが、あるところまで来ると一気に炎症が進み、その後免疫力が一気に低下します。

そして、最終的に食欲(黄線)がガタンと落ちると、回復が厳しい状況になります。

健康診断で、〜炎があるとか、数値に異常が見られる時は、Bの未病の状態で、この状態であれば、慢性炎症を解毒してゆく養生をしっかり行うのが基本です。

 

発病したCのステージであれば、慢性炎症を解毒する養生と、免疫力や体力を補う養生をバランスを見て行います。

 

炎症が盛んなDの状況においては、炎症を徹底的に抑えることを優先し、体力、免疫力も補ってゆきます。

 

炎症が盛んで免疫力や食欲が低下してきたEno状態では、まず食べられる事、体を補う養生が優先となります。

 

そしていよいよ食欲も落ちてしまい、起死回生の瀬戸際のFの状態では、植物スープや玄心スープなどを薄めて、ミネラルの調整を行い、何とか食べ物を吸収してくれる体に戻す事を考えます。

 

一方“がんからのリカバリーの経過図“では、発病と同時に養生のスイッチが入る点が、先程の図と異なる点です。

スイッチとは、がんになった原因を分析し、ライフスタイル、心、食事などの点で養生を始める事を言います。

手術などをして、その後養生に努める場合もこれに属します。

全般において、慢性炎症を解毒する養生と、免疫力を高める養生を併用しますが、Eのように免疫力が回復すると炎症が一気に上がってくる場合も度々経験します。

これは、免疫の力が炎症を起こして邪と戦っている時に起こります。

この時も炎症を解毒する養生を強化し、ピークを超えると炎症は一気に低下してゆきます。

 

次に、“抗がん治療と漢方養生の経過図“です。

抗がん剤は一般的に最初が最もよく効き、炎症を抑える力もありますが、免疫力も低下するために、再び炎症が上がりやすくなります。

そして、回を重ねるごとに、炎症は増えて、免疫力は低下してゆき、様々なトラブルが起こりがちです。

漢方養生は、慢性炎症を抑え、抗がん治療の副作用である免疫力の低下をなるべく起こさないようにして、回復の可能性を高めるのが目標となります。

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