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自然界のリズムと生体のリズム その2

体内リズムの調整に不可欠なメラトニンは、動物植物、微生物に存在するホルモンで、動物では1日周期で変化しており、血中濃度で概日リズムに同期して睡眠を誘導し、休息と活動リズムの形成に大切な役割を果たしています。

 

また強力な抗酸化物質として働き、特に細胞内の核DNAやミトコンドリアDNAを保護して、免疫力を強化します。そのため感染症やガンに対する抵抗力を高めます。またうつ病とも関係が深いことが知られています。

 

自律神経(交感神経と副交感神経)は通常24時間の周期で規則正しく変動し、心拍、血圧、呼吸、体温など多くの生命維持に関わる基本的な機能を同期、生体リズムをキープしています。

 

また内分泌系では、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、成長ホルモンなど多数の分泌タイミングが、24時間周期に同期していることが証明されています。

 

このように身体には様々な周期があるため、病気によっては症状の悪化や緩和する時間帯があります。さらに最近では季節病という、季節周期に基づく気温・気圧・燥湿などの影響を受け、症状が悪化したり緩和したりすることが認められています。

 

1日周期で統計的に見てみると、心筋梗塞・心突然死、脳梗塞などは血液の凝固能(血液の固まりやすさ)が亢進する朝8時頃がもっとも発症しやすく、危険な時間帯といえます。

 

逆に、脳出血や、胃および十二指腸潰瘍の穿孔など出血性の疾患は、血液凝固能が最も低くなる夜8時頃に多く発症します。

 

異型狭心症(安静狭心症)や夜間喘息は、それぞれ冠動脈の太さや気管支の太さがもっとも狭くなる早朝4時前後に集中し、逆にアレルギーは午後11時頃が強くなります。

 

もう一つ、月齢との関わりを見てみましょう。潮の干満を起こすのは月と太陽の引力ですが、月の影響は太陽の約2倍になります。そのため海辺に住む人たちは、昔から周期的な月の満ち欠けの状況から海面高を推定していました。

 

また女性の平均的な月経周期は28日前後で、月の公転周期と近いので、昔から月と女性との様々な関連が言い伝えられています。満月以降にお産が多かったり、お腹が張ったりする妊婦さんが増えるという話は有名ですね。

 

かの黄帝内経には「月が満ち始めると、経絡内の気血が満ちてゆき、衛気も活発になる。満月では気血が潤い筋肉が強くなる。月が欠け始めると経絡内の気血が弱くなり、衛気が去り気血は空虚になる」と記されています。人体の虚実は月の満ち欠けのリズムにも対応し、常に変化しています。

 

また死亡する時刻にも関係があります。老衰の方や消耗性疾患の方のほとんどが、引き潮や潮位が低い月末に亡くなられます。一方、脳卒中の患者は月の前半に死亡する例が多いそうです。肺結核の喀血は満月前の7日間に多く発生し、消化管からの出血は満月前後が最も多くなるそうです。

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