こんなケース がん養生中の心配
2020年05月13日
こんなケースの養生法
1、80代の男性で検診で胆管がんがみつかり治療中ですが・・・
手術できない箇所にがんがあり、ジェムザールによる治療を3回受けました。
今のところ、食欲の低下や黄疸、痛み等は無いですが体重が低下してきている事、疫病で出歩かない事で筋力も低下してきている事が心配です。
★養生アドバイス★
今のところ症状がないという事ですので、このまま悪化させない事と抗がん剤の副作用を最小限にとどめ、体力を落とさないようにする事が大切です。
抗がん剤は、最初の3クールくらいまでが最もよく効き、それ以降は回を重ねるごとに蓄積毒も出やすいですので、あまり無理をしない事と日々解毒の養生をなさる事が大切です。
解毒の食養生としては、切り干し大根の煎じ汁やタンポポ茶の服用等がお勧めです。
また、自分自身の体力と免疫力を高め、がんが分裂しようとする大元の炎症を抑えてゆくことも大切です。
特に胆管がんの場合、トランス脂肪酸や食肉脂肪、サラダ油などのオメガー6系油により炎症が助長されて痛み出すことがありますので、なるべくそういった食品を避けてお魚メニュー、アマニ油を納豆やサラダにかけるなどの工夫で、抗炎症作用のあるオメガ−3系油を意識して摂ってみてください。
漢方では、免疫力を調整する生薬と炎症を抑える清熱解毒生薬を同時に配合したものを用います。
外を歩けない時の筋力低下防止としては、横八の字体操がお勧めです。
両手を上に上げて、空に向かって八の字、今度は顔の前で、次第に腰を落として地面に向かってを、ゆっくり目の曲をかけて1曲かかっている間中、上下に屈伸しながら続けて下さい。
2、60代の女性で、過去に乳がんの治療で手術後放射線治療を受けています。
有名女優さんが、同様の状態で疫病で亡くなった事にショックを受けて、今自分はどのように養生したら良いか不安です。
★養生アドバイス★
まず一般の方と同じように、睡眠、しっかり栄養、散歩で気を巡らすなどの基本養生はなさった上で、特に慢性炎症を起こさない養生を心がける事が大切です。
放射線は、熱毒ですので治療後も体に慢性炎症を起こしやすい特徴があります。
傾向としては口内炎が出来やすい、体に痒みや痛みを起こしやすいなど。
このような時は今月号記事の慢性炎症を防ぐ養生を実行なさってください。
また、放射線毒は味噌にとてもよい解毒の働きがあるので、毎日お味噌汁を飲んでください。心のストレスも炎症を作ります。基本は清熱解毒の養生です。
もしも何らかの症状がある時は、適切な清熱解毒薬を提案しますので、ご相談下さい。