血液検査から陰の状態を読み取る
2025年08月28日
中医学でいう陰とは、体を栄養し潤す体液、消化液、涙液、唾液、ホルモン、免疫物質などを含み、不足により臓器の機能低下や各組織の炎症を起こしやすくなります。
潤いが失われることで、乾燥して熱を持つような状態ですね。
肌のカサつき、空咳、便秘、足の裏の火照りなどは陰虚の代表的な症状になりますが、それが進むと、〜炎と名がつく炎症性の疾患に罹りやすく、その最たるものが発がんです。
陰が不足している状態は、いわば慢性炎症の状態で、血液データからも読み取る事ができます。
まず、組織に炎症が起きたり感染による炎症が起きた場合に速やかに上がってくるのは白血球です。
そして炎症マーカーとも言われるCRPは、炎症や感染があると肝臓で作られるタンパク質で、白血球より少し遅れて上昇し、炎症が収束した場合にも速やかに下がるのは白血球で、その後遅れてCRPが下がってきます。
したがって、白血球のみが高い場合は炎症初期、白血球もCRPも高い場合は炎症がピークになっている時期、そしてCRPのみ高い場合は炎症がすでに収束し始めているとみてとれます。
CRPの基準値は0.3以下ではありますが、0.2程度でも慢性炎症の傾向があり、発がんリスクが高まりますので、0.01以下が理想です。
また、慢性炎症が徐々に進むと急激に上昇してくるのが血小板です。
血小板は過度な交感神経の緊張が続き、体内が戦闘モードになることで上昇します。
血小板が45万以上あると2年以内の発がんリスクが上昇しますので、すぐにでも養生を始めることが大切です。
そして、もう一つ、治療や養生が順調にいっているかどうかの指標になるものがあります。
それは白血球の中の好中球とリンパ球の割合で、好中球➗リンパ球が2を超している場合、慢性炎症が治りきっていない可能性がありますので、数値を参考に炎症を冷ます養生をしてゆくことが大切です。
そして最後に、アルブミンの値をみます。
アルブミンは血中のタンパク質で、これが不足すると組織を修復する原料が不足して、炎症がおさまりません。
治療がうまくいくかどうかの予後推定栄養指数をPNIといい
その数式は10Xアルブミン値+0.005Xリンパ球数で算定できます。
PNIが50を切っている場合は、体力、栄養状態、免疫力が低下している状態なので、食事を基本にして不足しているタンパク質を補ってゆく必要があります。
また、アルブミンや総タンパクが基準値内であっても、ALT、ASTなど肝機能の数値が以上に低い、クレアチニン、尿素窒素などの腎機能の値が低い、LD・・・乳酸脱水素酵素やALP・・・アルカリフォスファターゼの値が低い場合には、タンパク質が不足している、いわゆる隠れタンパク質不足の可能性がありますので、数値を照らし合わせながら、適切量を補ってゆく必要があります。
このように血液データから陰の状態・・・十分な栄養があるかどうか、そして不足による炎症を読み取ることが出来ますので、一度ご自分のデータを眺めてみてくださいね🥰