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急激な冷えと心のストレスから生じる四逆の証

 

朝晩、急激に冷え込んできました。薬局に鎮座していた扇風機をかたつけて、ガスストーブがお出ましです。
さて、最近店頭でよく相談を受ける症状が、手足が冷たいのに、首から上が暑く、心臓がバクバクしたり、口内炎が治らない、喉がやたらと渇いて空咳が出る等の症状です。
簡単に言えば上熱下寒とも言えますが、手足の末梢が冷えるのに、胸が熱いなどの煩熱があるため、これは四逆の証と捉えることができます。

 

四逆の証とは?

急な寒さは体にとって大きなストレスです。寒さから身を守るために毛穴はぎゅっと閉じて、汗が漏れるのを防ぎます。又、気が詰まるような出来事があっても、イヤイヤ状態から身を守ろうとして、毛穴は閉じてしまいます。ストレスがあると気の流れが停滞して上下に巡らなくなるので、体の内部は魔法瓶のような状態になり、欝熱が籠もります。そして体の表面、特に末梢の手足は冷えた状態になります。

 

具体的な症状は?

手足が冷える、お腹が張る、イライラしたり心臓がバクバクする感じがする、食欲が今ひとつ、下痢や便秘など通じが悪い、舌が紅く、黄色い苔がある、口内炎がなかなか治らない、空咳が出る、脈が速く鋭い

どんな人がなりやすいの?
通常、気候や環境、心のストレスが入っても、中医学でいう肝の疏泄がうまく働き、体が対応出来るようになっているのですが、大きな病気をしたり、慢性の病により、気血津液(気陰)を消耗している方、妊娠中や更年期、ホルモン治療を受けている方など、ホルモンのバランスが大きく変化しやすい時期、月経がある女性なら、排卵期から高温期へ移行する時期、自律神経の調整がとれにくい方、免疫力が低下している方など、体が消耗しているときに誰でも起こる可能性があります。

 

対処法は?

1,漢方ではまず、気血の巡りをよくするものを使います。
それに併せて、養血、滋陰の働きのあるものを用いてゆきます。
2,食養生として、気の巡りをよくするために、食後の柑橘類をお勧めします。また、らっきょう、日本蕎麦などもお勧めです。
その他に、滋陰作用のある、豆乳、ホタテ、牡蠣、ゆりね、枸杞の実、松の実、胡麻などの食材、養血作用のある、人参、小松菜、プルーン、ブドウ、ライチ、イカ、タコ、カツオなどの食材もお勧めです。
3,寝不足は最もよくないです。午後10時には床につくようにしてください。
4,洗面器とバケツに温かいお湯をはり、手足温浴を行ってください。頭ののぼせが静まります。
5,タオルの両端をもって万歳し、中腰の状態で左右に10回づつタオルを回します。気血を巡らす全身運動になります。

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