血圧が気になる時
2025年07月30日
現在60代の女性のご相談です!
30代までは低めの血圧だったのに、更年期を境にどんどんと上昇し(常時170と100くらい)検診で必ずお叱りを受けます。
その後病院に行き、お薬を処方して頂きましたが、それでも(145と90くらい)高く、やはり脳血管疾患が気になります。
もっと血圧を下げた方が良いのでしょうか?
◉血圧が高いとどうしてもそこへ気が入ってしまうものですが、そんな時、昔は血圧が低かったのに、どんどん高くなってきたのかは何故かを考えてみる事が大切です。
今の血圧は、心臓よりも上にある脳へ十分な血液を届けるために、圧をかけて血液を送り出しています。
従って、原因に対する養生なしに無理やり血圧を下げれば、脳への血流が低下して、立ちくらみ、めまい、思考力の低下、さらに血流に勢いがないと脳梗塞や認知症の原因にもなりかねません。
様々な原因が解決して、それだけの圧をかけなくても脳へ血流が届くようになれば、自然に血圧は下がります。
◉それでは更年期以降に血圧が上昇し始めた原因を考えてみましょう!
1、女性ホルモンの低下による血管保護機能の低下
女性ホルモンには交感神経をリラックスさせ、末梢血管を拡張する作用
脂質代謝を円滑にし、血管の弾力性を保つ働き
インスリンの働きを助け、血糖値を安定化させる事で、血液の粘りを防ぐ働きがあるので、閉経するとその恩恵が受けられなくなります。
2、寝不足、頑張りすぎ、過剰なストレスによる交感神経の緊張が続くと血管が硬く通りにくくなります。
3、加齢とともに、糖代謝の機能が低下するため、若い頃と同じように甘いものを常食し、血糖値スパイクを起こすような食生活をしていると、過剰な糖分とタンパク質が結合して糖化を起こし、血液は粘り血管は傷つけられ血管壁に粥状の病理産物が溜まり血液を通りにくくします。
4、糖質や植物油の過剰摂取は、体内で酸化されてアルデヒドを作り、激しく血管を傷つけ動脈硬化の原因になります。
5、隠れ貧血がないでしょうか?
赤血球やヘモグロビンが十分であっても、MCV(1個1個の赤血球の大きさ)が小さい方が多くみられます。
赤血球の大きさが小さいと十分な量の酸素が運べず、結果的に脳は酸素不足を起こすために、それを補う形で血圧を上げなければなりません。
6、塩分、甘いものの摂りすぎ、水分の摂りすぎ、タンパク質の不足は循環血液量を増やし血圧を上昇させます。
7、カルシウムの不足をはじめとするミネラルバランスの乱れも血圧上昇の原因になります。
8、足の筋肉が衰えている
運動不足やコラーゲンタンパクの不足により、下半身に十分な筋肉がないと、心臓のポンプ機能に負担がかかります。
足の筋肉は第二の心臓とも言われ、心臓のポンプ力を助けるので、筋力が低下すると血圧を上げなければなりません。
9、姿勢が悪くないでしょうか?
前屈み、巻き肩、猫背など姿勢が悪いと、脳の中枢部分に血液が届きにくくなります。
その結果、脳へ血液を送るために自律神経は血圧を上げようとします。
このように、必ず原因があって血圧を上げています。
ですので、降圧薬を飲むより先に、原因を見極めて対策する事が根本的な解決になります。