脾の働きと膵臓機能
2019年02月06日
中医学でいう脾は脾臓の事ですか?
と尋ねられる事が多いですが、その働きからみてむしろ膵臓と考えた方が良いかと思います。
脾は、消化と吸収に関わって食べ物から活動するエネルギーを作り出したり、血肉を作り出す働きをします。
西洋医学的には、膵臓がこの働きで、消化液を作って食べ物を消化し吸収する働きと、インシュリンの分泌を介してブドウ糖を取り込み、エネルギー源とする働きがあります。
さて、脾を傷めると脾虚となりますが、その原因はストレスによる血糖値の不安定、暴飲暴食、甘いものの取り過ぎ、長時間の絶食後のどか食い、過食と拒食の繰り返し、ダイエットとリバウンドの繰り返し等で、これらのライフスタイルは膵臓に多大な負担をかけ、血糖値の急変動(グルコーススパイク)を起こす原因になります。
脾虚すなわち膵臓の疲弊によって起きる症状は次のように多岐にわたります。
1、循環器に関する症状
ふらつき、たちくらみ、めまい、顔色が悪い、視界がぼやけたり、まぶしく感じる、動悸、脈の異常、火照り、逆上せ、ホットフラッシュ、胸痛
2、消化器に関する症状
空腹感、膨満感などの食欲の異常、吐き気、嘔吐、胃もたれ、胸焼け、腹痛、ゲリ又は便秘
3、代謝に関する症状
慢性疲労、体力低下、冷え、異常な汗あるいは無汗
4、神経、筋肉に関する症状
頭痛、身体の痛み、震え、しびれ、痙攣、こむら返り、ムズムズ脚、身体のゾワゾワ感
5、脳に関する症状
考えがまとまらない、物忘れが激しい、食後の眠気、言葉が出にくい、混乱、認知機能の乱れ
6、睡眠に関する症状
寝つきが悪い、眠りが浅い、早朝覚醒、睡眠時のパニック発作、寝汗、悪夢、金縛り、心霊現象や幻覚を見る
7、性格や心に関する症状
理屈っぽい、神経質、怒りが爆発、落ち込みが激しい、頑固で融通がきかない、人格が変わる、普段と違う行動、光、音、匂い、皮膚刺激にやたらと敏感
これらの症状に心あたりがあれば、脾虚(膵臓の疲弊)を疑い、脾虚の養生を提案いたします。