脾病の特徴
2022年06月06日
梅雨時期に多い脾病(胃腸の病)の特徴
梅雨時期は胃腸の弱い方にとっては辛い季節です。
というのも、脾は水を運化する働きがあり、過剰な湿気を嫌いますので、湿気の多いこの時期にはとても負担がかかります。
脾胃の働きが低下した状態を脾胃気虚と言いますが、食欲がなかったり、下痢や軟便になりやすい他にも色々な特徴があるのでお伝えしたいと思います。
1、疲労倦怠感・・・脾には四肢、筋肉を主る機能がありますので、甘いものの食べ過ぎ、冷たい水分の摂りすぎなどで脾を損傷すると、栄養の生成が少なくなり、気血が不足して手足の筋肉に栄養が行き渡らなくなり、解毒代謝力も落ちて手足が異常に怠くなります。
梅雨時に踵がものすごく怠くなったり、手足が抜けるように怠いのは脾の弱りです。
2、動悸、息切れ、声が小さい
脾が弱ると、同時に肺の機能も弱りエネルギーが不足します。
少し動いても息切れ、動悸がしたり、喋るのが億劫、声が出ないのは脾虚の症状です。
3、食欲不振、お腹の張り・・・脾の運化機能(消化管が動いて消化吸収)が弱ると、食べた物が停滞してお腹が痞え、ガスが発生してパンパンになります。
4、自汗・・・じっとしていても汗がジワジワ出る症状です。気が虚して体液の漏出を防ぐ働きが低下しています。
5、眩暈、頭痛・・・脾が虚してエネルギーが脳まで上がらないために起こるもので、疲れると程度がひどくなります。
6、発熱・・・脾の水分代謝機能が低下して水湿が停滞して鬱熱を生じる事で起こります。
7、内臓下垂、脱肛・・・脾のエネルギーが不足し、臓器を持ち上げる機能が低下する事で、重力に引っ張られ臓器の下垂が起こります。
8、軟便、下痢・・・水分代謝機能が低下し、便が水湿を含むようになります。
9、出血、アザが出来やすい・・・血液が漏れるのを防ぐ働きが低下するために起こります。
いかがでしたでしょうか?
上記の症状でお悩みの方の食養生として大熊柳があり、脾胃の働きを強め瘀血を取り去る働きがあります。
又発熱やのぼせ、火照りが強い方の食養生として升降丹をお勧めします。
いずれの場合も、基本は甘いものや冷たいものを控え、お腹をよく温める事、スクワットや踵の上げ下げ運動で足の筋力を高める事が胃腸の強化に繋がります。