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眠れない方へ

春先に多い不眠

春眠暁を覚えずで、春はトロトロとどれだけでも眠い方が多い反面、毎年春先から初夏にかけて不眠が続くというご相談も多いです。

正しい生活のリズムを中医学的に捉えると、朝お日様が登るように体内の陽気が昇ると目覚め、夜はお日様が沈み、夜の帳が降りてくるように、陰に満たされる事により、平穏な眠りにつけると言われています。

 

では、不眠というとどのような状態かと言いますと、夜になっても陽気が盛んで、お日様が沈んでくれないか、陰の気(血液や体液)が不足して、安心できる遮光カーテンが降りず、レースのカーテンのような落ち着かない状態と考えて良いかと思います。

前者は主に実証で、急性のもの・・・すなわち、夜遅くまで飲んで騒いだり、カラオケやライブなどで、テンションが上がり、興奮が冷めやらない。

或いは、心配事や怒りで悶々としてしまうもの。

揚げ物、肉、ニンニクやラッキョウ、スパイス、香辛料などの熱性の食品の摂りすぎで、体に熱をもちじっと眠っていられないもの等。

 

後者は虚である事が多く、慢性的な消耗が関係しています。

人は冬眠こそしませんが、自然界の動物と同じく、寒い冬には栄養を蓄え、仕事のしすぎや無理のしすぎを抑え、体力の消耗を防ぐ事で、春〜夏にかけての活動期に向けての血液力、補陰力、体力、免疫力などを養います。

ですので、冬場は寒い野外の出るような消耗する行為を控え、仕事量も春夏の7割程度に留めることが理想です。

私は、更年期の差し掛かりの時期に、冬に汗をかくほど運動してダイエットしたり、講演やライブの予定を入れすぎて、その年の春に不眠、目眩、動悸で半年以上の体調不良に悩まされた経験をしてから、冬場は体力を温存するが如く、読書や原稿仕事をして、なるべく出歩く仕事を減らしています。

 

春先に不眠に悩まされる方の多くが、冬場の消耗のしすぎで、体力が温存されていない結果ですので、陰血を補う養生が大切です。

眠るにも、体力がいるわけです。

子供はスヤスヤ眠れ、歳と共に眠れなくなるのは、体力の曲がり角なので、今までの仕事の方法等を見直し、消耗の少ないライフスタイルにシフトしてゆく必要性があります。

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