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LDLコレステロールが下がらない悩み

今日のテーマは60代女性からいただいたご質問!!です
ご質問内容:
閉経を境にLDLコレステロールがどんどん上がり1昨年の検診ではLDLが210、HDLが54
中性脂肪316、AST30、ALT33で、“脂肪肝になっている!“と言われました!!
昨年の検診の2ヶ月前から4毒(小麦、植物油、甘いもの、乳製品)を極力控え3度の食事を時間通りにして、よく噛んで食べ順にも気をつける養生を行ないました!
その結果、LDLが190、HDLが51、中性脂肪175、AST24、ALT21となったけど、LDLや中性脂肪が基準値からほどお遠く撃沈しました!!!
いよいよ薬を飲まないとダメなのでしょうか?

お答え:
まず、そもそも基準値というものですが、これは検査会社の男女30〜50人の値を調べて、その中で極端に低い2.5%と極端に高い2.5%を削り残り95%の幅で基準値を作っています。
大体若い人〜中年までくらいの男女の値で、性別や年齢別の値を考慮したものではないです。
検査会社によってはLDLは139までとするところと、検診などでは119以下とするところが多く、これだと閉経した女性はほとんど引っかかってしまうわけです。
何故かというと、閉経して女性ホルモンが激減すると、今まで女性ホルモンによって守られていた血管が守られなくなってしまうために、LDLコレステロールを増やして血管を守ろうと体が働いてくれるためなんです。
実際に、血管に傷が行き、それを修復するためにLDLが上昇すると言われています。
そのほかにもLDLコレステロールは細胞膜の原料になるもので、これが無いと細胞は活力を失ってしまいます。
また、ストレスに対応するステロイドホルモンや、生命力の源にもなるテストステロン、免疫力を高めるビタミンDの原料でもあります。
つまり老化に備えてそれに適した守りを固めていてくれるわけです。
それを基準値から外れたから薬でそれを落としてしまおう・・・というのはどうか??と思います。
ですので、基準値イコール正常値では無いのですから、数値を参考に養生して行くことが一番大切と考えます。

この方の場合、2ヶ月の養生はすごく効いていて、改善されてゆく経過途中かと思われますので、すごく上手く行っていると思います。
中医学では、瘀血と痰湿は最も取れるのに時間がかかるもので、年単位の気の長い養生が必要です。
脂質代謝異常は中医学では痰湿と捉えます。
換気扇やシンクについた酸化油が、ネチャネチャでなかなか掃除するのが困難なのと同じで、血管があのように酸化油で汚れているものを大掃除して行くにはそれなりの時間がかかります。
2ヶ月でLDLが20下り、中性脂肪が141下がったのは養生の賜物です。

さらに、前回はASTよりもALTが高く、これは脂肪肝の傾向を示すものですが、今回両方が理想的な20のラインになり、ASTの方が少し多い事で、脂肪肝の改善が見られていると思います。
また、HDLが50以上あるというのも素晴らしい事で、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を起こしにくいという特徴もあります。
HDLは有酸素運動で増えることがわかっていますので、1日15分程度の早歩きなどを続けられると良いかと思います。
今の養生を根気よく続けられて、また半年後くらいに一度検査されてみてはどうかと思います。
嘆くこと、落ち込まれることは全然ないと思いますよ〜〜〜!

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