春に鬱病や鬱症状が多いのはどうして?
2025年03月13日
本日は春になるとご相談がとても多くなる鬱症状についてお話しいたします。
1、春はまず環境の変化によるストレスが大きいです。
入学や就職、転勤などの新しい環境に適応しようとする事で心に大きな負担が掛かりストレスを感じやすくなります。
2、また、春は寒暖差と気圧の変化が大きいことで、自律神経に大きな負担がかかるのも原因の一つです。
勿論、花粉や黄砂などのアレルゲンもストレスの原因で、体はそれらに打ち勝とうとし、元気の元であるセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を放出しまくり、ついには枯渇すると、朝起きられなくなったり、やる気が全く起こらなくなります。
3、そしてさらに、春になるとお花見やイベント、旅行など世間の人々が活動的なり、自分だけが置いてけぼりを食らった気分になり、鬱々とします。
こんな事ではいけないとか、こんなはずではないのに・・・などの気持ちがさらに焦りに拍車をかけ、ますます状態が悪化してしまいます。
そして皮肉なことに、大雨が降ったり自然災害があったりして皆んなの気持ちが沈むと、気持ちが落ち着いたりします。
これらのストレスが春の鬱病や鬱症状の直接的な引き金になるのですが、その本当の原因は冬場の食生活や運動不足、日照不足で、元気の元であるセロトニンやドーパミンが十分にプールされていない事にあります。
鬱病の治療薬のSSRIやSNRIは、セロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害して、これらの物質をシナプス間隙に増やすお薬ですが、それによる副作用もあります。
そこで、これらの元気物質を食事からしっかり貯蓄しておく事がとても大切です。
1、やる気や元気、明るさ、喜び、楽しい心を作るドーパミンという神経伝達物質は、チロシンというアミノ酸から合成されます。
チロシンをたくさん含んだ食材は、大豆、納豆、味噌、赤身肉、アサリ、ホタテ、ハマグリなどの貝類、イワシなどの青魚です。
2、同様に、脳内の神経調節をするオーケストラの指揮者のような働きで、気分の不安定や落ち込みを防ぐのがセロトニンです。
そしてセロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から作られます。
トリプトファンが多い食材は、玄米、大豆、納豆、味噌、イワシ、カツオ、マグロ、サケなどのお魚です。
いわゆる、日本古来の和食をしっかり摂っていれば、十分に脳内元気物質を補充する事ができる訳です。
それでは、逆にこれらの元気物質の生成を抑えてしまう食材についてお話しします。
1、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)過剰な飽和脂肪酸(肉の油、パーム油、ココナツ油)、過剰な不飽和脂肪酸(サラダ油、紅花油、コーン油、米油、胡麻油、オリーブ油、アマニ油、シソ油、エゴマ油などの植物油)
これらはまず、腸内環境を悪化させ、腸に炎症物質を作ります。
また、町内に慢性炎症が起きることで、善玉菌によって腸で作られるドーパミンやセロトニンの生成が阻害されてしまいます。
植物油は体内で速やかに酸化され、アルデヒドとなり、神経機能を傷つけます。
特に小麦のグルテンと植物油脂が合わさるとこの攻撃が増幅されて最悪です。
2、乳製品はトリプトファンの取り込みを阻害し、セロトニンが正常に合成されるのを阻止してしまいます。
3、甘いものは神経の炎症を増幅させ、脳内元気物質の正常な生成を阻止します
ということで、これらの食品の摂りすぎに注意し、和食を心がけてください!
また、セロトニンの生成は、お日様にあたる事、即ち日照時間に大きく関係します。
そして、散歩する、リズム運動するなどの筋肉運動でセロトニンの生成は高まります。
冬の間、寒さや悪天候で日に当たって運動する機会が減ると、十分にセロトニンがプール出来なくなり、春になって不足の症状をきたします。
これを防ぐには、10分程度朝日に当たる日光浴やウォーキング、お天気の悪い日は室内でのラジオ体操でも構いませんので、少しの運動習慣を身につけてください!