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ストレスと梅核気(喉の詰まり、塞がり)について

梅核気は自律神経失調症に大変に多い症状です。
ストレスがあると気が詰まり喉に違和感を感じますが、ポリープなどの出来物ができているわけではありません。
こんなことでも、梅核気が生じる・・・という私の体験をお話してみたいと思います。

私は昔から何かに興味を持つと直ぐにのめりこんでしまう凝り性で、同時に肩にも力が入って直ぐに肩がカチカチ凝ってしまう性分です。そこでしょっちゅう近所の温泉へ行ってはマッサージをしてもらいます。
 
マッサージは筋肉の緊張が解けて、心地よいのでいつも寝落ちしてしまう程好きなのですが、たまに行って怖い思いをする事があります。
と言うのはマッサージ師の方で、稀に色々な「物」がよく見える方がいて、その方に「お客様、つかれていますね」と言われるからです。
 
「その通り!疲れをとってもらうためにマッサージに来てるんやがね」と思っていたのですが、施術前に何やら儀式っぽい動作が始まって、何やらモゴモゴと呪文らしい言葉を唱えながら、肩から背中にかけて指で文字を描き始めました。
「そっちなんかい?!」肩がガシガシに凝って身体が重いのは、何かに取り憑かれてるって事らしいです。
 
昔から「キツネ憑き」とか「憑依」とか話には聞いたことがあり、子供の頃はマジで怖かったのですが、実は「低血糖脳症」と類似点が多い様です。
 
血糖値スパイクで血糖値が極端に下がると、補正のため分泌されたアドレナリンやノルアドレナリンの影響で、脳の前頭葉が麻痺し、大脳皮質が機能低下して無意識感情が溢れ出します。その影響で大脳辺縁系が興奮し、脳機能の制御が不可能になり幻聴や幻覚と現実がパニック状態・せん妄状態になります。この発作を繰り返す人の様子を見て、昔の人々は何かに憑依されていると思い、祈祷やお祓いをして来たのかも知れません。
 
最近ある方にそんなお話をしていたら、私に喉の症状で食べ物がよく詰まる、声がかすれる、出にくい、乾く、咳き込む事がよくあるのでは?と言われハッとしました。肺胃陰虚+陽明経の気滞による逆気で、胃気が逆流するので喉に違和感が現れる「梅核気」です。
 
最近、特に朝食時にヨーグルトなどの流動体がなかなか喉を落ちていかず苦しんだり、カプセルが喉に詰まり、死ぬ思いをする事が多いのです。
 
私はこれは歳のせいで粘膜が乾きやすいのと、嚥下力が落ちているせいで、歳をとったものやな・・・と感じていたのですが、これらの症状も「梅核気」に含まれます。梅核気とは、梅干しの種が喉に詰まったような閉塞感があり、うつ病や不安神経症に多い自律神経のトラブルの一つです。
 
そして、梅核気になりやすい方の特徴として、頑張り屋で辛抱強く我慢する方、自分の意見を言いたくても言えない、言うと余計に落ち込み、後悔してしまう、要するに喉元でウッと我慢する事で、気が止まってしまい気が巡らずに体調不良を起こす傾向があります。
 
皆様にそんな事でも梅核気になるんだ・・・と言う事をわかって頂く為に、私の体験をご参考下さい。
 
実は、私は食事の支度をする事にとても大きなストレスを感じる事があります。少し前まで姑さんや娘が一緒にいた頃は、夕食の調理を分担したり手伝ったり楽しく作っていましたが、時が経ち環境が変わっても、食事係は私の暗黙の務めです。
そして、日頃皆様には食養生をお薦めしている立場なので、「常に体に良い食事を作らねばならぬ」という思いにそれこそ憑りつかれています。ですから朝に夕食の準備をしたり、副菜を作り置きするなど工夫をしていますが、たまには多忙で疲れて何もやる気が起きない事もあります。
 
主人は何かを手伝う訳でなく、出された夕食を食べるだけで、食べ終わるとサッサと自分の部屋に行ってしまいます。・・・お殿様か!王様か?「何で私がこんなにあくせくしなきゃいけないの?」って、何か腹が立ちません?
 
で、「もう私くたびれてまって、ご飯作る気ない!」と言うと、「俺、外で食べてくるで作らんでいいよ」これ幸いとばかりに喜んで、トンカツやらラーメンやら好きなものをいそいそと食べに行く姿に、又腹が立ってしまう訳です(苦笑)・・・
 
たまには主人に夕食作りを任せてもOKだと思いますが、味や見栄えは関係なく基本的に満腹になれば何でも良い人なので、やっぱり私が作るわって事になります。今まで何度もそういう結果になっています(笑)
 
要するに、私は何を求めていて、どうしたら気持ちが救われるのか考えました。

①私がしんどい時は、食事を作ったり手伝って欲しい

②たまには外食して台所休みの日が欲しい

③いつも食事作ってくれてありがとう!という言葉

特に③です③!お互いの感謝の気持ちが一番大切!

そこで

①お互いに相手がやってくれた事に対し、必ず「ありがとう」を言葉で伝えるようにルール化しました。

②夕食後にも仕事がある日はカレンダーに印を付け、この日は各自で食べる事にしました。

③疲れている日のお勝手仕事は、手抜もアリを承認

④主人が休みの日は、できるだけ調理をお任せする事

⑤そして目下の課題は、調理から食事、後片付けまでを楽しむ 時間を持つ事です。

「建前」で辛抱するのは「美徳」??「本心・本音」にとっては不満です。大丈夫じゃないのに、大丈夫と言ってしまう事が多い方は「本心・本音」の言い分も取り入れて上げましょう。却下されるばかりでは「梅核気」も大きくなります。

「建前」が強く「本音」が出し難くてお悩みの方は、交渉事に不慣れで「自己犠牲感」を伴いがちです。

街の商店街での買物で、値引き交渉(値切り)など、少しづつ本音を出しつつ協調点を探す練習をしてみたり、挑戦体験を重ねることで、相互理解の道が開かれると思います。

私と同じように梅核気がある方・・・どうぞご参考になさってください。勿論、漢方の方剤や薬膳、鬼菊などの清胃食品も協力な助っ人になりますよ!!!

執筆者 漢方食養生の林薬局 薬剤師 高田理恵

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