抗がん剤をこのまま続けて良いか?迷っている!!!漢方はどうでしょう?
2024年05月23日
体力が落ちてしまって、次の抗がん剤を迷っている時
Q、抗がん剤を続けているのですが、思わしくなく、どんどんと強い抗がん剤をやって来ました。
今回の治療でも効果が出ずに再び大きくなって来ました。
手術も出来ず、放射線もこれ以上当てられず、抗がん剤に頼るしかないのですが、少し動いても息切れがするほどしんどく、どうして良いのかわかりません。
そんな中、2度もコロナに罹ってしまい、その後益々状態が悪くなりました。
こんな状態でも何か出来る事はありますか?
A、こちらでがんの養生を提案するとき、今のお身体の状態について2つの方向から数値を見ながら検討しています。
一つは、PNIと言って予後栄養指数と呼ばれるもので
アルブミンの値X10+リンパ球数X0,005で算出される値です。
血中のアルブミンは血液、筋肉、臓器の活動、酵素、骨、免疫細胞などの元になる大切なタンパク質で、お薬を必要なところに届けたりする働きも担っています。
アルブミンが低く、体の機能が低下していると、抗がん剤の効き目も低下してしまいます。
また、リンパ球数は、がんを潰してくれる免疫細胞です。
この数が十分にないと、なかなかがんの退縮が進みません。
この二つの値を元に算出されるのがPNIで、体力や免疫力の指標となります。
健常人ではPNIは50〜60ですが、PNIが45を切ってくると体の機能自体が低下しているために、思うような治療効果が得られなかったり、副作用も出やすい、炎症が激しくなる・・・など思わしくない状況になります。
この場合、まずはアルブミンやリンパ球の数を回復させるとともに、今ある辛い症状に対応すべく、必要なものを補剤という漢方や益気養血の食材で補って回復を優先する事が先決です。
PNIの値が改善されると、お薬の効き目も格段に良くなります。
要するに、弱った体にさらに鞭を打つような治療をしてもさらに疲弊するだけで良い結果は得られません。
もう一つは、NLRと言って、免疫細胞の比率をみます。
NLRとは、白血球中の好中球とリンパ球の割合で、好中球➗リンパ球で算出します。(数でもパーセントでも良い)
NLRが1〜2の状態が良好とされますが、2以上になり値が大きくなるほど、全身に活性酸素が多く、慢性炎症が激しくなっていて、これががんの分裂を助長したりします。
抗がん剤が良く効いていると、この値も下がってきます。
またこのような時は、直接的な炎症の数値CRPも高い傾向にあります。
そして、アルブミンが低いとCRPは下がりにくいという関係もあります。
したがって、この値が高い場合は、清熱解毒の養生で炎症を冷ましていく事や、腸内環境を整えて、炎症が起こりにくい状況に持っていく事が大切です。
また、新型コロナウイルスは、一度罹ると完全に体から排出されずにステルス化し、体力が弱った時に再び顔を出してくる性質があるようです。
また、炎症性免疫のバランスにも関わりがありますので、こちらにも清熱解毒の養生が大切かと思います。
こちらの方の場合、PNIが43、NLRが6、CRPが1,93
と体力免疫力の数値も厳しく、炎症指数も非常に高いですので、ひとまず体力を回復させ、炎症も冷ましてゆく養生を提案させて頂きました。
養生により、この2つの数値が良くなると、今まで思わしくなかった同じ抗がん剤でも、効き目が非常に良くなった例をいくつか体験しています。
参考ブログ https://riepyon.net/kanpo-shokuyojo/
執筆:漢方食養生の林薬局 薬剤師 高田理恵
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